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古典鍼灸・伝統鍼灸と当院の中華伝承医学との違い

当院は大阪市北区のビジネス街にある鍼灸・推拿治療院です。中国古流の中華伝承医学による難病・慢性疾患治療に力を入れています。

難病・慢性病は東洋医学でも難しい治療ですが、西洋医学とは違った観点から治療をすると、めざましく症状が好転することも多々あります。たとえば難病指定されている疾患で、当院で比較的治療成績のよいものに、慢性疲労症候群(CFS)・クローン病・潰瘍性大腸炎などがあります。

当院の掲げる古流の中華伝承医学は師から弟子に代々つたえられたものですが、古典鍼灸・伝統鍼灸とうたった鍼灸院も多々みうけられます。どういう点が当院とは違うのかを、以下に書いてみたいと思います。

古典鍼灸・伝統鍼灸と当院の中華伝承医学との違い

中国伝統医学あるいは古典鍼灸医学と称している鍼灸院はたくさんありますが、
大きく分けて三つの系統があります。

1)昭和の古典復興運動によってできた流派の系統
2)現代中医学の系統
3)古典と口伝にもとづく流派の系統

下に当院の位置も含めて図示しておき、ご説明してみます。

昭和の古典復興運動によってできた流派の系統

明治期に漢方・鍼灸医学が廃れ、その復興運動として古典研究と独自の臨床経験を元に、昭和初期に日本で作られた、新しい鍼灸医学です。その中でも一番大きな流れが経絡治療派で、純粋に古典研究ベースにしていたり、現代中医学を取り入れたりして分派がたくさん生まれました。日本において、現代中医学以外で伝統鍼灸や古典鍼灸と自性している流派はこの系統に入ります。

現代中医学の系統

現代中医学は中華人民共和国建国後の中国において、国策として作られた中国医学です。現代中医学と呼ばれます。中医学と呼ばれているのは、この流派です。現代中医学と3の「古典と口伝にもとづく流派の系統」に関しては「中国医学・伝統鍼灸と中華伝承医学の違い」のページで述べました。

古典と口伝にもとづく流派の系統

古典と口伝にもとづく流派は師匠から弟子に、手から手へ、あるいは口伝で伝えられた伝統医学です。 当院はこの流れに属します。

まず、基本的に1も2も、成立して100年も経っていない伝統医学です。どちらも非常に古典を研究するのですが、理論と臨床が解離し、理論的自体も論理的破綻しているために、臨床経験が充分に生かされていません。

それに対して3は何代にもわたって、師匠から弟子に一対一で伝えられてきた医学です。特徴として、基礎理論から治療理論まで一貫した論理的な体系になっています。

この系統に属するのはほとんどありません。日本では江戸期にできた流儀が若干ありますが、経絡治療の系統を越える流儀はありません。しかし本場の中国では若干ですが残っています。

師から弟子へ一対一で伝えられてた中国古流派は、中国近現代の政治の激動によって、滅んだり、表に出てこなくなったり、海外へ渡ったりしました。たとえばのと100年をみても、清朝の滅亡、辛亥革命(漢民族独立運動)による中華民国建国、支那事変、中華人民共和国建国、文化大革命・天安門事件といった、大きな政治的変動が何度もありました。その中で、かろうじて残っている流派がいくつかあります。

当院は、このような数少ない流れの一派です。日本の宮大工をイメージすると良いでしょう。当院が属するような流儀の流れは宮大工に相当します。建築家や民間住宅を建てている大工とは違った役割を担っています。

当院は中医学を修正した中華伝承医学で治療を行っています

当院は現代中医学の欠陥を修正した、中華伝承医学の流儀にしたがって治療しています(ここでいう中医学は現代中医学=中医薬大学で教えている中医学のことを指します)。

現代中医学に関しては、ネットで大まかな情報を得ることができるのでご存じの方も多いでしょう。

中医学でみる、あなたは何タイプ?

という感じで、
気虚陽虚血虚陰虚痰湿・・・・
なんていう専門用語が並べられ、それぞれに該当する症状を自己チェック。
自分は何タイプかを知る・・・
みたいな記事を本やネットで見たことはありませんか?

中華伝承医学をもとに治療している私に言わせると、このように最初から体や病気の状態をタイプ分けして見ていくのは、あまり意味がありません。

なぜなら、陰虚の人にも気虚や痰湿が混ざっていることも多く、気虚や陽虚の人が陰虚に傾むくことも多々あるからです。

考えても見てください。基本的な体質というのはありますが、誰でも働きすぎたり、食べ過ぎたり、運動しすぎたり、風邪をひいたりしますよね。それによって体調が刻一刻と変化していきます。

そのような現実を直視すると、「あなたは何タイプ?」みたいな見立てをもとに治療をしても、病気を診て治療法を探す対処療法にすぎず中国医学の本来の姿である人間の全身を診て調整するのではありません

このような発想が生じるのは、中国医学本来の考え方である、気一元、つまり人間の身体の総体性をどのように診ていくからからはじめて、どのように区切って、治療の体系を組み立てるかという中国医学本来のすがたを忘れているからです。

中華伝承医学と現代中医学の違い

中華伝承医学と中医学の違いを図示し、それぞれの項目を説明していきましょう。

1.中医学の理論には一貫性がない

上で、
気一元=人間の身体の総体性を、どのように区切って、治療の体系を組み立てるか
と言うことを書きました。
中国医学では病気の原因と発生の機序を、病因病機といいます。それを分析するのを弁証といいます(哲学でいう弁証法とは違います)。「どのように区切って、治療の体系を組み立てかるか」が、弁証にあたるんですね。

中医弁証学の本をみると、臓腑弁証・六経弁証・経絡弁証等々の弁証体系が並んでいます。

ところが、これがごっちゃ煮で何がいいたいのかよく分からない。 
この鑑別名にはこういう症状・・・、という分類はされているのですが、人間の身体をどのような視点から分析すればその鑑別にいたるか、一貫した人間の診方、病気の診方があやふやです。

一番、弁証と診察の関係が一番整合性がとれているのが六経弁証です(中医学で一番実用的な弁証の体系です)。
『傷寒論』という漢方薬の一番の基本文献をもとに作られたものですが、『傷寒論』自体が処方集の体裁を取っているので、どのような観点からその理論体系を作ったかが曖昧です。だから古来、専門の学者の間でも色々な解釈がありました。

専門家の間でもいろいろな解釈があるのだから、一般の臨床家が自由自在に駆使できるわけがありません。結局は、患者さんの症状に一番当てはまりそうな漢方薬を選ぶ・・・みたいな感じになってしまいます。鍼灸なら、腹痛にはこのツボ、腰痛にはこのツボみたいな対処療法ですね

しかし、中華伝承医学の観点から『傷寒論』を読み解いていくと、そこに一貫した治療思想・診察体系があります。

2.中医学には理論体系にそって人を診察するシステムがない

中医学には理論体系にそって人を観察していくシステムがありません。私が鍼灸学校に通っている頃、中医学を勉強してびっくりしたのがこの点です。

たとえば、鍼灸では経絡・経筋という考えを重視します。経絡は気の流れるルート、経筋は各々の経絡のまわりにある筋肉です。

腰痛で、胆経ラインに痛みがあるのなら、胆経上の経筋を緩めると腰痛が軽減されます。じゃあそれをどのように診察して、ツボを決めるのか?

中国医学では脉診(みゃくしん)という診察法が重要視されるのですが、これを例にして述べてみましょう。

腰痛の原因を探るわけですが、カゼに由来するのものなら、『傷寒論』の脉診を使います。内臓の異常に由来するのなら六部定位脉診、経絡・経筋の状態を診るのなら気口九道脉診・・・と使い分けます。本来は。

さらにその上位には、どのような脉診を使えばいいのかを診る、人迎気口診があります。しかし現代中医学ではこのような一貫した診察システムがないんですね。経絡弁証というのがあるのですが、実際にはあまり役に立ちません。

また、『傷寒論』の脉診や六部定位診・気口九道診なども、一応出ては来るのですが、臨床でどのように一貫して使っていけばいいかというシステムが、中医学にはありません。

3.中医学には治療中に、どのように変化しているかを観察するシステムに乏しい

2で述べたように、中医学は、治療の状態を一貫して診ていくシステムがありません。
身体に鍼を1本刺せば、何らかの変化が生じます。それが合っているかどうか、一貫して観察していくシステムがなければどのようにして変化を追っかけるのでしょうか?

最初に「ここは!」というツボに刺して、終わってから見るしかないのですが、一貫して見ていくシステムが無ければ、変化した身体の状態の意味を知ることもできません。

しかし、中華伝承医学では、1本の鍼を刺してどのように変化するかを、逐一診察していきます。もっと細かくには診察をしながら最適な状態へもっていくよう鍼を操作する技術があります

4.日本鍼灸の繊細な技術を導入

日本には奈良時代に鍼灸が入ってきましたが、大きく花開いたのは江戸時代です。

日本人の繊細な感性が、鍼の高度な操作技術を生み出し
それが現在まで続いています。それは中医鍼灸には見受けられないような繊細さです。

例を挙げると、接触鍼法や打鍼法・小児鍼などです。

中華伝承医学は、中国古流の流儀の中に取り込んだ技術をご提供しています。

鍼灸の適応疾患

WHOが鍼灸の適応疾患としてまとめたものがあるのですが、昔はあらゆる病気に対応しようとしました。しかし現代医学の発達によって現代医学の方が効果的なのはそちらを優先するようになりました(当然のことです)。それでも鍼灸院で対処する疾患はさまざまです。以下、当院でも対応しているものの例を挙げましょう。

整形外科分野(痛みの治療)

首・肩・背部

首・肩・背部:首・肩上の痛み、扁桃の痛み、肩甲骨間の痛み、背中の痛み、脇腹の痛み、ストレートネック、首ヘルニア、五十肩

腰部・下肢

腰臀部腰痛、腰ヘルニア、ぎっくり腰、坐骨神経痛、鼠径部痛、脊柱間狭窄症

手足

手足の痛み・しびれ、手足指先の痛み・しびれ、ガングリオン、へバーデン結節、関節リウマチ、腱鞘炎、手根管症候群、テニス肘、股関節痛・変形、膝関節痛・変形、足底の痛み、肉離れ、ねんざ

循環器分野

動悸、不整脈、高血圧、低血圧、頻脈、下肢静脈瘤、脳血管障害(及び後遺症)、動脈硬化、 動悸、息切れ、 糖尿病など

消化器系分野

口内炎、口角炎、むねやけ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎慢性腸炎、、肝機能障害、頭痛、メニエル病(メヌエル病)、めまい、糖尿病、夏バテ、疲労感(なかなか疲れがとれない)、むくみ、病後の疲れ、介護疲れ、看護疲れ、便秘喘息、甲状腺の異常、

呼吸器分野

風邪(カゼ)、咽の痛み、喉のつまり、息切れ、気管支炎、喘息、梅核気など

代謝・内分泌・自己免疫疾患分野

バセドウ病、痛風、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、1型糖尿病、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、甲状腺疾患など

耳鼻咽喉科分野

突発性難聴、中耳炎、耳鳴り、花粉症、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、嗅覚障害、口内炎、扁桃炎、メニエール、めまい、のどのつかえ、のどの違和感など

婦人科分野

不妊症、逆子、生理不順、更年期障害、生理痛、月経前症候群(PMS)、月経前緊張症、子宮内膜症、子宮筋腫、産後の肥立ち(産後の不調)など

精神・心療内科疾患

自律神経失調症、うつ、双極性障害、パニック障害、強迫性障害、不安障害、ヒステリー、適応障害、統合失調症 、ストレス、自律神経失調症、 睡眠障害、 不眠症(心の疲れ)など

生殖器・泌尿器分野

不妊、痔、ED、カンジタ、膣炎、肛門痛、頻尿、乏尿、膀胱炎、尿道炎、前立腺肥大など

皮膚科分野

蕁麻疹、湿疹、アトピー性皮膚炎、ものもらい、ヘルペス、麦粒腫、ニキビ、赤ら顔、乾癬、掌蹠膿疱、しもやけ、あせも、円形脱毛、帯状疱疹など

その他の難治性疾患

潰瘍性大腸炎、クローン病 、難治性皮膚炎、慢性腎炎、 慢性疲労症候群(CFS)、 慢性関節リウマチ(RA)、 IgA腎症、抗ガン剤副作用、癌性疼痛 、 自己免疫疾患、膠原病、サルコイドーシスなど

その他

痩身、ダイエット、ニキビ、美容、美肌など