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2004-05-04

突発性難聴の治療

突発性難聴は、あるとき突然に内耳に異常が生じて聞こえにくくなる、聞こえなくなる病気です。特徴としては

  • 突然耳が聞こえなくなる。
  • 原因不明(原因があるのものは突発性難聴とはいいません)。
  • 一般に片側、まれに両側におきる。
  • 耳鳴やめまいが同時に起こることが多い。
  • 早期に治療を開始しないと治りにくい。
  • 早期に治療を開始しても、聴力低下や耳鳴が残ることも多い。

などがあります。

西洋医学では薬物療法として、

  • 副腎皮質ステロイド
  • 血流改善剤
  • ビタミン剤

などの内服・点滴を行います。特殊な治療としては

  • 星状神経節ブロック
  • 高圧酸素療法

などもあります。入院が好ましいとされています。

中国医学的には難聴は「肝火耳聾」「肝陽上亢耳聾」「肝腎陰虚耳聾」
「腎気不足耳聾」「脾胃虚弱耳聾」「気滞血お耳聾」などと分類しています。
これらの分類は難聴の直接的分類というよりも、難聴を起こす体調を分類しています。くだけた表現をすると、「肝火耳聾」「肝陽上亢耳聾」「肝腎陰虚耳聾」は”のぼせる系”、「腎気不足耳聾」「脾胃虚弱耳聾」は”元気ない系”、「気滞血お耳聾」は”血行が悪くなった系”の体調由来の難聴です。中国医学的にはこういった体調を調えることをベースにした治療を行います。

当院での治療について

なにはともあれ、早期に治療を開始する必要があります。治療開始は発生後一週間が勝負だと思ってください。当院では、まずは耳鼻咽喉科で検査・治療をうけていただき、鍼灸治療はそれと併行して受けていただくことをおすすめしています。

当院の治療としては上に書きましたような耳鳴を起こす体調をととのえ、耳周辺の局所治療、手技療法で頭蓋骨や頚椎の操作を行います。

中国医学における難聴治療の解釈を現代風に説明すると、聴神経の伝達やその周囲の血行が悪くなったと考え、その通りをよくするのを目的とします。聴神経は内耳にありその付近まで鍼を入れて響かせることができると一番いいのですが、頭蓋骨に覆われているために不可能です。そこで耳周囲の経穴に深めに鍼を刺して内耳の方へひびかせるようにします。骨を介して響かせるようにしますので、鍼の技術としては難しいです。耳の穴の前方周辺の経穴をよく使いますが、このあたりは内出血させると容貌上困りますので、鍼を刺す角度や動かし方に技術が必要ですね。

経過ですが、難聴の程度が軽いほど回復や治りが早いです。しかし高音部の難聴が残ることが多いですし、耳鳴が残ることも多いです。このあたりは西洋医学と同じです。

ただし、数ヶ月・数年経ってから治療を開始しても治癒した例も少数ですがありますので、発症から時間が経っておられる方でも一度試されるといいかと思います。

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