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2004-05-04

整形外科分野の基本方針

鍼灸や推拿(中医整体・マッサージ)は、骨折の直後や重篤な病気を除いて、かなり幅広い疾患に対応できます。

医療機関ではなかなか治らずに、治療を求めて当院に来られ、
早々に回復される方も大勢います。本来の中国医学は西洋医学とは違う観点から治療します。そうすることで、西洋医学的な治療より早く回復することも、多いです。

整形外科的治療の診察は、

  • 整形外科的な触診法を行う。
  • 中国医学的診察を行う。

の2点からなります。治療は、

  1. 中国医学的な観点から、骨や筋肉に悪影響を与えている内臓の調子を調える。
  2. 西洋医学的リハビリ理論、中国医学的な経絡理論などをもとに、整体・推拿・マッサージ・関節操作・矯正などを行う。

という観点から治療していきます。

1の、内臓調整から筋・骨の疾患を治すというのは、伝統的な中国医学独特の考え方で、中国医学の観点から行う整形外科的疾患のミソです。これをするのとしないのとでは、快復力がまったく違います。特に体力があまり無い方の治療には、効果に大きな差が出てきます。ただし、かなり難しいので、できる治療院は限られています。

2に関しては、テクニックと治療理論の問題です。西洋医学・東洋医学、それぞれ無数といってよいほどの治療テクニックがあります。治療にあたっては、どの治療テクニックが重要なのではありません。重要なのは基礎理論と診察法、そして治療方法の組立方です。それさえしっかりできていれば、どんなテクニックであっても、よいものなら、その治療システムの中に組み込めます。当院が属するベーネグループでは、代々口伝で伝えられてきた中国古流派の治療システムを使っています。日本ではごく限られた人だけに伝わる技術です。

さて、当院に来られる患者さんの多くは、日本の整形外科や整骨院などで行われている治療が、あまり効かなかった方です。そこで、そのような患者さんが受けられていた治療法に対して、以下に批判的見解を書いておきます。

牽引

頚椎症や頚肩腕症候群・頚椎ヘルニア、腰痛などに10分~20分くらいの牽引を行う方法です。

これらは、中途半端なマッサージ効果しかありません。 入院して長時間、持続牽引する方法を除き、最近のアメリカの研究では治療効果に否定的です。 悪化することも多いです。

温熱治療

発熱方法には、マイクロウエーブ、遠赤外線、磁気加振式、温水等々いろいろあります。

骨折や捻挫のリハビリ治療で理学療法士やあん摩マッサージ指圧師が手技療法を行う前に、あらかじめ温熱機器で暖めておくと、運動時痛が軽減されるます。このような使い方には有効です。それ以外の治療には意味がありません。

通電治療

低周波・中周波・高周波などをからだに通す方法です。

よく使われるのは低周波治療器です。低周波治療器は、家電メーカーが肩凝り用に、販売しているものをご存じの方も多いでしょう。原理は家庭用も医療用も同じで、違いは出力や出力波形の調節精度、安全性の高さなどです。

低周波治療の有効な使い方は、低周波治療器の皮膚にあてる部分をごくごく小さくして、筋肉の両端や中国医学の経穴に正確にあて(かなり精度が要求されます)、通電すると、麻痺や神経痛に効果的です。鍼を刺してそれに通電する方法もよく取られます。しかし低周波治療は、効果に否定的な研究が、いくつも出ていてます。

上記のリハビリ器具を使った治療は、運動療法やマッサージなどの手技療法を組み合わせなければ、あまり効果がありません。

きちんとしたリハビリ治療は、リハビリ専門医と、理学療法士やあん摩マッサージ指圧師が、治療計画をきちんと立て、厳密な管理下のもとに行われることが重要です。

しかし、そのように治療を行っているところはごくごく少数です。ほとんどは上記のリハビリ器具と、慰安マッサージを組み合わせて帰し、来院回数を増やして保険点数を稼いでいます。

よい治療方法を知ることは、よい医療機関・治療院を見極めるひとつの方法です。

暖めるなら使い捨てカイロ、通電するなら家庭用低周波治療器を買って使えば済むことです。「それなのに?」って考える思考が重要です。患者さんの自己負担額も時間も節約できることに、つながっていきます

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