中医古典
『春秋左氏伝』(『左伝』)にみられる五材と五行
・五行の起源のひとつとして『春秋左氏伝』の五材があげられることがある。 天生五材,民並用之,廢一不可,誰能去兵天、五材を生じ、民並びに之を用ゐる。一を排するも不可なり。(天が木火土金水の五材を生じ、人々はそれらをみな用い […]
現代中医学のおかしな五行論
本稿は学生向けに行った講義のノートよりの抜粋です。 陰陽五行思想は一般の方にもよく知られているが、大陸の大学で教えているものと伝統的な理解とは違います。大陸の大学で教わるのは中国共産党の思想的背景にあった唯物論的に解釈さ […]
黄老思想における道器論と陰陽論・三才思想(その3)
中華伝承医学入門講座の講義ノートより 気~中国的イデア論 あまり指摘されていないと思いますが、中国における気の思想は、西欧におけるイデア論と同質のもので、中国的イデア論といってもいいでしょう。 イデア論というのは、イデア […]
黄老思想における道器論と陰陽論・三才思想(その2)
中華伝承医学入門講座の講義ノートより 気一元論 上述したように、現象世界すべてが気によって生じるという考え方を気一元論とよびます。人間の体や意識・感情も気によって生じます。自然現象もすべて気によって生じます。形而下(物質 […]
黄老思想における道器論と陰陽論・三才思想(その1)
中華伝承医学入門講座の講義ノートより 道器説と気の思想 天の陽気が地の陰気に引き寄せられ、地の陰気は天の陽気に引き寄せられ、両者が交流することによって現象世界が生じます。その現象世界の最下層が形です。 「是の故に形而上な […]
インドの三徳(triguṇa)説と老子の説くとの関係
サーンキャなんかのtriguṇa説、つまり sattva・rajas・tamasと展開される説を三徳説と訳されることがあるが、この徳という用語は道家の徳のニュアンスを援用したものではなかろうか?道から万物が展開する働き・ […]
名人は脉など見ない?
あるとき「名人は脈など診なくても問診だけで治療する」という考えがあるのを知って驚いたが、現代中医学はそんな傾向にあり、それは前々から日本の臨床家から批判されていたりする。現代中医学の脈学は『傷寒論』の脈学から説明しようと […]
ググれカス、ググるカス
コロナが流行り始めた頃、「コロナはただの風邪」派の人と話をしていたとき、「ただのカゼ」の根拠に疑問を呈したら、「インフルエンザの死亡者数・超過死亡数・重症化率をググって比較すればいいだろう。それくらいもやらないのか、ググ […]