4月19日に泉佐野にある縁里庵かつもと鍼灸院の勝元宏亮先生にお誘いを受けて、「身体のケア&鍼灸練習会」に参加してきました。鍼灸関連の業者さんの商品説明・実演と、参加者どうして治療しあってさまざまな鍼灸を体験しあうという会でした。私はベテラン鍼灸師として、「ベテランの治療ってどんなもの?」というのを体験してもらう係でした。他のベテラン先生は私の旧友たちでした。

みなさんの治療を見てての感想ですが、本治法や全身治療云々の前に、局所を細く分析して、それぞれに対処する法を体系的に習っておられないかたばかりと感じました。たとえば皮膚や筋肉・靭帯の虚実や緩滑渋急、湿熱・湿寒・風燥・風湿などの病理的状態、、そういった状態への対処法、治療効果を最大化するための刺入前と抜鍼後の処理などです。学校では国家試験に受かることが最優先になりますし、教えられる教員もほとんどいないのでしょう。またこういったことを伝える流儀がほとんどないというのも知っています。でもこういう基本的な事をきっちりと学んでおくと、今持っておられる技術が強化されるので是非学んで欲しいです。
これはなにも中国医学的な鍼灸だけでなく、西洋学的発想で治療する場合も有効なのです。ようするに経穴に鍼を刺すときにどれだけ細かな操作をして、高い効果を引き出せるかという基本技術なのです。刺した一本が効いてればその理論にしたがって体も変わります。たくさん刺せばいいってものではありません。
鍼の深さなんてXYZ軸、1ミリずれたら効果が大きく違ってきます。そのポイントに当てられる精度によって、そのポイントの操作の精度によって治療効果が大きく変わります。それを試みる上で鍼数が増えるのは仕方ないですが、無闇にたくさん刺したらどう効いて効いてないかわかりません。
鍼を上手くなろうと思ったら、一本一本大切にしてほしいです。どこにどのように効いているのか、効いていないのか?よく観てよく考える事が重要です。そういうことが出来るための技術を出来る人から学ぶことです。効くツボなんてありません。効かせられるかどうかなのです。ただしこういったことは、手取り足取り師匠に教わらないと難しいですね。講義セミナーでは無理でしょう。

あと、脈診について質問されました。脈診にはたくさんありますが、どのような視点で体を見るために作られたのかが重要です。たとえば傷寒論には傷寒論の分析視点ががあります。鍼を一本、適切に刺せば身体が変わり脈も変わります。針一本指すごとに脈がどう変わっていくのか、変えられるのか、こういったことを教えられる人がほとんどいません。
伝統医学を学ぶポイントですが、自分の考えや感じ方はまず捨てる事です。師匠の考えや感性をどうしたらトレースできるか考え試してみることです。自分流は勝手に出てきます。最初から自分流でやると、自分の壁を越えられません。できる人のトレースをどこまで出来るかが重要です。インテリほどこれがわからない傾向にあります。いくら勉強しても自我が変容しない限り、同じ視点が拡大するだけです。上手くなるにはパラダイムシフトが重要なのですが、これもなかなか教えられる人がすくないです。
