久しぶりにワクワクして読んだ本の『誤解された親鸞の往生論』

ワクワクしながら読んだ本というのは年に数回しか出会わないが、学生時代の恩師の『誤解された親鸞の往生論』はそんな一冊だった。

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本書は「親鸞は現世往生を説いたのか臨終往生を説いたのか」を問題にして宗派内で大論争になった『真宗の往生論』のエッセンスをまとめた本。一般向けとはいえ専門的な内容なので前提知識がないとちょっと難しい。

小谷先生は谷大のアビダルマ研究、チベットゲルク派の教相研究の伝統を受け継ぐ先生。定年退官後に、教員時代は言えなかった真宗(大谷派)の近代教学批判を行なって大論争になった。桜部先生の弟子として退官後に書き残しておきたかったのだろう。

釈尊の死後どのようにして解脱を得るかということに関して、出家者は向けに空の思想(般若経・中観)が説かれ、その後凡夫向けに浄土教(浄土三部経)が説かれた。前者は現世での解脱を目指し、後者は臨終時あるいは臨終後に解脱を目指すものであったということから、現世往生は般若経の思想であって浄土教は臨終往生でないとおかしい、その上で念仏は正定聚(しょうじょうじゅ 必ずさとりを開いて仏になることが正しく定まっている人々)に入ることを約束するものであるということを緻密な文献学でもって証明するというのが本書の骨子であると思う。

あまりにも面白かったので、本書が元にしている『真宗の往生論』という単行本版の論文も買ってしまった。

疑問点とすれば、密教でも浄土系の密教があるけどそれはどう考えるのかということが思いつくが、これは小谷先生の専門外かと思う。

いずれにせよ、仏教を本格的に学ぶ人には強くお勧めする。

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