日本伝統鍼灸学会50周年大会1日目 気と意識

日本伝統鍼灸学会1日目終了。参加した講演やワークショップの視点はどれも面白かった。気と意識について言語化できる時代が来た予感がする。オウム真理教事件の悪影響が消える時代がやってきたと言えるかもしれない。

一番興味深かったのが最後のシンポジウム。3人のシンポジストの先生方には、生理現象を超えた気の実態存在があるはず。とくにT先生の天の気を太陽とイメージして体を通して鍼を介して患者さんに流す話は、密教で神仏を灌頂して加持祈祷する構造と全く同じ。大日如来は宗教学的には太陽神だから言葉が違うだけと考えてもいいだろう。

座長が、イメージを言語化するのはオカルトに堕するから注意した方がいい、という発言。それを説明するのに阿字観や摩訶止観の魔境の話を出したが、あれは例として全くの間違い。阿字観にしろ摩訶止観や小止観の覚知魔事は、イメージと幻覚や幻聴と、リアルな宗教経験との違いを鑑別できるようになる訓練という意味を持っている。これは日本の密教では、密教僧によると伝法灌頂後に教わるレベルの話らしいが。いずれにせよ、これを言語化するのは重要で、今になって鍼灸でも言語化しようとする時代が来たということだ。東洋の仏教では古来からさんざん議論してきたので、鍼灸界でもそういう文献なり修行方が取り入れられたらいいのにと、個人的にはずっと思ってきた。

あと、座長は「禅の阿字観」と言っていたが「密教の阿字観」の間違い。魔境の話も、多分きちんと摩訶止観や小止観をきっちり読んでないはず。明日も楽しみ。

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