神農祭
大阪の大阪道修(どしょう)町にある少彦名神社の神農祭りに行ってきました。
道修町は製薬会社や薬問屋が並ぶ薬の街です。なんでも八代将軍吉宗が享保7年(1722)に大坂に来た際にで病に倒れたときに、道修町から献じられた薬で回復したので、薬種商124軒に中買仲間の免許が与えられ、その後は薬の町として発展しました。大小さまざまな製薬会社や卸会社があります。大きな製薬会社だと武田製薬・田辺三菱製薬・塩野義製薬・大日本住友製薬などの会社があります。
少彦名神社は日本の医薬の神少彦名命と、中国の薬学の神様である神農をお祭りされています。神社のサイトには神農祭の由来として以下のような説明がなされています。
神農祭は「薬祖講」の行事として大阪市無形文化財(民俗行事)に指定されており、「大阪の祭りはえべっさんに始まり神農さんで終わる」と言われるように「とめの祭」とも呼ばれております
神農祭は文政5年(1822年)に大坂でコレラが流行した際に薬種仲間が病除けの薬として「虎頭殺鬼雄黄圓」(ことうさっきうおうえん)という丸薬を作り、「神虎」(張子の虎)の御守と一緒に神前祈願の後施与したことに由来するといわれております
現在では五葉笹に張り子の虎と少彦名神社の御札をつけた張子の虎を家内安全無病息災の御守として授与しています
参道に行くと製薬会社のゆるキャラ君たちがお出迎えしてくれました。
神社の入り口は狭いです。
文豪の谷崎潤一郎の名作『春琴抄』の舞台はこのあたりでした。『春琴抄』は何度も映画化され、戦前だと田中絹代・高田浩吉、1954年には京マチ子・花柳喜章、1961年には:山本富士子・本郷功次郎といった往年の美女と美男が主演していました。このあとにも何度も映画化され、山口百恵と三浦友和バージョンも作られました
武田製薬の杏雨書屋
神農さんの並びに武田製薬の杏雨書屋があります。ここは医学書を始めとした古書や医学関係の道具類を収集・研究する施設で、国宝や重要文化財も所蔵されています。一階が展示スペースで貴重図書が展示されています。講演会なども行われます。有名な『解体新書』の現物が常設展示されています。現物見るとすごいですね。撮影禁止なので中の写真はありません。
70ページほどあるこんなに立派な図録がなんと無料という太っ腹です。