私が師匠から習ったた古流の捻転法は教科書的な記述とは発想が大きく違い、その威力に驚くとともに失敗したときのリスクも考えさせられるものでした。詳細はここでは省きますが、口伝(秘伝ではない)の一部を書きます。
・捻転法は切皮の撚鍼法とは全く別物である。
・捻転の左廻りは局所に気が集まる、右回りは局所が散じる。
・回転速度は心拍(一息四至が平)に合わせて同調させる。
・同調後に回転を速くすれば心拍が上昇し、遅くすれば心拍が下がる。血位で左捻転を行うと心拍数が下がり、右捻転を行うと心拍が上がる。
・捻転は孫絡・経脈の位置にて行い、肌肉より深い位置で行わない。
・経脈の順行方向と使う経穴を加味しすれば、経脈の疏通をうながすことができるが、古流の気口九道脉診では陽気と陰気の昇降を操作する方法を前提に使うので、教科書とちがった順行のさせかたを行う。
※分担執筆した『埋もれている脈診の技術 気口九道―経路・経筋・奇経治療』にも捻転の項目があって、上記のことを記していますが、一部間違いがあります。