運動部に入って元気だった子供が朝起きられなくなり学校に行けなくなった

「運動部に入って元気だった子供が朝起きられなくなり学校に行けなくなった。鍼灸でなんとかなりませんか?」というご相談が最近増えてきました。お話を聞くと「病院で検査してもも理由が分からない」、あるいは「起立性調節性障害(あるいは軽度の慢性疲労症候群)と言われた」「うつ病といわれた」「病院で出された薬を飲むけどあまり改善しない」などとおっしゃいます。

そのような診断が医師によってなされている場合、貧血や甲状腺疾患・脳の病気などを除外診断されていると思います。こういう場合はオーソモレキュラー療法(栄養療法)を導入されている病院で検査・アドバイスを受けることをまずお勧めしています。

なぜオーソモレキュラー療法を最初にすすめるのか?

小学校高学年から高校生までにかけて、成長期の子供さんには多大な栄養素が必要です。今の日本では、食事が満足にできないカロリー的な栄養失調はかなり少ないですが、質的な栄養失調はかなりあります。成長期に運動部で激しく練習する学生ほど栄養が必要です。しかし炭水化物や肉類をたくさん食べて蛋白質やカロリー的に栄養が足りていても、成長や健康維持に必要なビタミンやミネラル類などの栄養素がその食生活では満たせてない場合が多いのです。最近の食材は昔よりもビタミンやミネラル類が少ないと言われていますし、コンビニやスーパーあるいは冷凍食品の食材は製造過程でビタミンやミネラル類がかなり失われます。

また、炭水化物が多くなると、代謝に必要なビタミン・ミネラル類もたくさん必要です。その上、運動部で激しい運動を毎日しているのならビタミン・ミネラル類がさらに消費されるので、足りなくなってきます。このような学生さんはとても多いです。

「病院で栄養的に問題ないといわれた」ということはよくあるのですが、通常の現代医学で栄養的に問題ありという基準と、オーソモレキュラーで問題ありという基準はずいぶん違います。たとえば貯蔵鉄の血清フェリチンの基準は、男性が20~250ng/ml、女性が10~80ng/mlとされています。しかしオーソモレキュラーを導入している医師たちの多くは50ng/mlでも少ないと考えます。

参考記事:オーソモレキュラー療法の受診のすすめ

私学の寮に入っているお子さん

中学や高校で私立学校の寮に入っているお子さんが栄養失調になることもあります。寮の食事のお話を聞くと、ご飯や麺類・あるいは肉類はそれなりに出てくるけれども、大量に調理をするために業務用の食材、たとえば業務用のカレーやシチューのルーとか水煮野菜とか使って調理していることもあります。これらにはビタミン・ミネラルがかなり少なくなって、糖質や脂質がたくさんというものが多いのです。管理栄養士が食材にこだわって、きちんとメニューを組み立てているような場合の方が少ないのかもしれません。

こういう食事をされている学生さんが質的栄養失調になって、原因不明で学校に行けなくなった症例をいくつも診ました。

運動の得意な人は胃腸が丈夫

運動の得意な人は基本的に胃腸が丈夫です。消化吸収能力が高く充分な栄養を取り込む能力があるから、筋肉がつき、敏捷性が高まるのです。このような学生さんは適切な栄養量を与えてあげれば、冒頭に書いたような症状があっても回復が非常に速いです。

まず鍼灸治療が必要な学生さん、あとからでもいい学生さん

胃腸が弱いとかアレルギー系の持病があるとか基礎疾患があるのなら、オーソモレキュラーのサプリメント療法をしてもサプリメントを十分に消化したり代謝したりする能力が足りてないかもしれません。そのためにサプリメントが効くまで時間がかかります。そういう学生さんにはサプリメントの消化吸収・代謝能力を高めるために鍼灸を併用した方がいいでしょう。

しかし運動が得意で、ふだんからよく食べる学生さんはオーソモレキュラーのサプリメント療法をまずお勧めします。オーソモレキュラーの検査やサプリメントも鍼灸治療も基本的に自費なので、経済的に余裕がなければオーソモレキュラー療法を優先することを、当院ではお勧めしています。

参考記事:オーソモレキュラー療法の受診のすすめ

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