帯状疱疹後の後遺症(帯状疱疹後神経痛)肋間筋の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とみられるもの

帯状疱疹後の後遺症の神経痛、特に胸部の例についていくつか書いています。今回は神経痛の原因が肋間筋の筋緊張によると思われるものの話です。

目次

帯状疱疹後の後遺症(帯状疱疹後神経痛)肋間筋の筋筋膜性疼痛症候群(MPS)由来と思われる例

機序

胸部の帯状疱疹後の後遺症としての神経痛ですが、機序は上のリンク先で述べたこととほぼ同じです。

肋間筋が丘疹が生じた近辺の肋間筋を触診すると、非常に緊張していていることがあります。肋間筋というのは肋骨一つ一つの間にある薄い筋肉です。肋間筋には外肋間筋と内肋間筋があり、横隔膜と連動して呼吸するときに肋骨を上下刺せる作用があります。外肋間筋は主に大きく息を吸うときにはたらいて胸郭を広げます。内肋間筋は息を吐くときにはたらいて胸郭を狭くする作用があります。ここのところを肋間神経が通っています。

胸郭にできる帯状疱疹はここのラインに生じるわけですが、急性期に肋間神経のラインおよび丘疹ができた炎症のある局所が非常に痛みます。痛いので肋間筋が緊張します。また深く呼吸すると痛いので、浅い胸式呼吸になります。深い呼吸ができて肋骨が大きく動くと、適度な緊張と弛緩作用によって筋肉の血行が良くなり凝りが生じにくくなるのですが、痛みであまり動かないと凝りがたまりやすいというのもあります。どちらにせよ、炎症や血行不良が生じて、丘疹がひいても肋間筋の強い緊張が残り、筋痛・神経痛が残ることがあるというわけです。これは筋筋膜性疼痛症候群の一種と思われます。

筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:MPS)は筋肉が原因となって痛みやしびれを引き起こす病気です。 主に後頭部・頸部・肩甲部・背部・腰部などの筋肉に対して使われますが、骨格筋ならどこでも生じます。

施術法

筋筋膜性疼痛症候群の西洋学的な治療法は、異常な緊張点や痛むポイントに、ごく少量の麻酔薬を注射でいれるか、理食塩水を注入し筋肉をほぐすということが行われているようです。超音波検査(エコー)を用いて痛みのポイントを確認して行う医師もいるようです。一ヶ所につき5分程度で終わるんじゃないでしょうか。

鍼灸の場合だと医師がやるのと同じような場所に鍼を浅く刺して筋肉をほぐすか、経絡やツボの理論にしたがって遠いツボを使い、肋間筋が緩むように仕向けます。鍼や灸を使わずに、按摩(あんま)指圧・マッサージや整体などでも同じようなことができます。

帯状疱疹後の後遺症の神経痛といっても、このような筋筋膜性疼痛症候群だと1~数回程度で、かなり症状が改善するはずです。

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